法事と法要 お参り...
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- お知らせ
- 2013.11.07
超高齢化社会となった日本。認知症になる要因のひとつは加齢にあることから高齢者が増える中で認知症になる高齢者もどんどん増えてきています。
平成29年度高齢者白書によると2025年には高齢者の5人に1人は認知症という推計がでています。
このような中で注目されているのが成年後見制度です。
では、成年後見制度とはいったいどのような制度なのでしょうか?
【目次】
1.成年後見制度とはどんな制度なの?
2.成年後見制度ができた背景
3.どんな人がこの制度を利用しているの?
4.成年後見制度の今後
1.成年後見制度とはどんな制度なの?
成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害等で判断能力が低下した方々を保護、支援する制度です。
家庭裁判所の監督の下、支援者(成年後見人等)が本人(成年被後見人等)に代わって財産を管理したり、契約を結んだりします。
また、生活の見守りにも当たります。
成年後見制度は大きく2つの種類に分かれています。
既に認知症などで判断能力が低下した方に対して支援するのが、『法定後見制度』です。
まだ、今は元気で判断能力も十分にある方が、将来判断能力が低下した時に備えて、早いうちに将来の支援者や支援に用を決め、支援者と契約をしておくというのが、『任意後見制度』です。
『法定後見制度』はさらに本人(成年被後見人等)の判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助と3つの類型に分けられています。
さて、この”判断能力が低下する”とはどういうことなのでしょう?
自分の置かれた状況を正しく認識し、適切な判断を下すことが難しい状態(自分にとって良い事、悪い事の判断ができないなど)のことをいいます。
その代表的な例が認知症の方です。判断能力の程度によって後見制度による保護、支援の度合いが変わってきます。
①後見・・・判断能力を欠く状態(例えば、日常の買い物も一人では難しい。家族の名前も分からないなど)の方には、成年後見人として保護、支援します。
②保佐・・・判断能力が著しく不十分な状態(例えば、日常の買い物は一人でもできる。重要な財産などの管理は一人では難しいなど)の方には、保佐人として保護、支援します。
③補助・・・判断能力が不十分な状態(財産管理を一人で出来るかもしれないが、不安があるなど)の方には、補助人として保護、支援します。
2.成年後見制度ができた背景
成年後見制度ができる以前は、判断能力が不十分なひとを「禁治産者」として財産の管理や法律行為を制限する『禁治産・準禁治産者宣言制度』というものがありました。
禁治産者になるとそのことが公示されるほか、本人の戸籍に記載されることになります。その為社会的な偏見や差別の要因となってしまうという問題が指摘されていました。
そのような指摘を受けて2000年に民法が改正され、現在の『成年後見制度』が施行されることになりました。障害のある方や高齢の方でも特別な扱いはせず、従来の生活を送れるようにしようというノーマライゼイションや本人の残存能力の活用、自己決定の尊重の考えを下に定められています。
3.どんな人がこの制度を利用しているの?
認知症などにより、判断能力が低下すると本人では様々な契約や財産の相続、管理等ができなくなるという問題が生じる可能性が出てきます。このような場合に成年後見制度が役立ちます。
例えば、
・銀行や証券会社での手続きをしたい
・不動産などの資産を売却したい
・介護施設・サービスの契約をしたいなど
必要な契約や手続きが行えないケースであったり、
・詐欺被害に遭わないか心配
・家族などが本人の財産を使い込んでしまわないか心配
・障害を持つ子供の将来が心配など
財産管理が心配というケースがあります。
4.成年後見制度の今後
超高齢化社会の日本において、この成年後見制度が必要な人は多くいる中、まだまだ制度の利用が十分ではないのが現状です。
制度の発足から約20年、発足当時から比べ制度を利用する人は大きく増えていますが、手続きの面やコストの面など利用にあたっての問題も指摘されるようになりました。
2016年4月に成年後見制度利用促進法が成立し、厚生労働省では2018年から専門家会議を設置しています。有識者会議では現行の成年後見制度に対する問題(本人にとって必要な時に、必要な範囲でのみ利用できるようにべき、柔軟に後見人を交代できるようにするべき、すでに後見制度が必要かを一定期間ごとに見直す機会を設けるべきなど)の指摘があげられ、様々な改善が求められています。
専門家会議の資料「第二期基本計画の工程表とKPI」によると、「成年後見制度等の見直しに向けた検討」は、2022年から2026年にかけて行われる予定です。
制度の改正が実現すれば、より多くの人が利用しやすい制度となり、より良く暮らせる社会になるのではないでしょうか。
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